7.カウンセリングを2か所受ける

彩花はウェブから無料カウンセリングの予約を済ませ、実際にクリニックに足を運ぶ日を迎えた。
候補としてピックアップした2つの医療脱毛クリニック。
どちらも駅からアクセスが良く、価格帯もほぼ同じように感じられる。

しかし、実際にスタッフや医師の対応、そして料金プランや施術内容を聞いてみないことには、本当に自分に合ったクリニックかどうかは分からない。
彩花は少し緊張しつつも、「これで自分の悩みを解決できるかもしれない」という期待感を胸に、一歩ずつクリニックの扉を開けていく。

 

1か所目のカウンセリング:不安と期待

平日の仕事帰り、彩花は会社最寄り駅から数駅先にあるクリニックへ向かった。
エントランスを入ると、受付スタッフが明るい笑顔で出迎えてくれ、最初の印象は悪くない。

まずは問診票に名前や連絡先、肌質やアレルギーの有無などを記入し、しばらく待合室で待つ。
このとき、クリニックの雰囲気や清潔感が目に入り、「医療機関っぽい堅苦しさはあまりないな」という印象を受けた。

しばらくして名前を呼ばれ、個室のカウンセリングルームへ通される。
担当のカウンセラーは落ち着いた雰囲気の女性で、彩花が今抱えている悩みを丁寧にヒアリングしてくれた。

「社会人になってからムダ毛処理が大変で、自己処理による肌荒れもひどくて……」
彩花がそう打ち明けると、カウンセラーはうなずきながら「医療脱毛では、毛根にしっかりアプローチできるので、回数を重ねるうちに自己処理の負担は確実に減っていきますよ」と説明してくれる。

さらに、施術の痛みに対してはどう対処するのか、万が一肌トラブルが起きた場合はどう対応するのかなど、気になっていたことを細かく質問。
カウンセラーは笑顔で的確に答えてくれ、院内には医師も常駐しているため、必要に応じて診察や処方も可能とのこと。

「やっぱり医療機関だと安心感があるな……」と、彩花は少し肩の力が抜けるような気がした。

また、カウンセリング後には簡単な肌チェックも行われ、「これくらいの肌状態なら問題なく施術できますよ」と言われてホッとする。
ただし、費用に関してはやや高額な印象を受け、「総額でこれくらいかかるのか……」と一瞬尻込みしそうになった。

カウンセラーは料金プランをいくつか提案してくれたが、彩花はすぐに即決する気にはならなかった。
もともと「もう1か所、カウンセリングを受ける予定がある」と伝えてあったため、カウンセラーも強引な勧誘はせず、最後まで親切に応対してくれた。

「痛み対策もしっかりしているし、院内も綺麗。スタッフさんもいい感じ……ここに決めちゃおうかな?」
そんな気持ちが頭をよぎったが、同時に「やっぱりもう一つのクリニックも見てから決めたい」と思い直し、この日は契約せずにクリニックを後にする。

 

2か所目のカウンセリング:他院との比較

次の週末、彩花はもう1か所のクリニックを訪れた。
こちらは大きな駅ビルのそばにあり、人の行き来が多いエリア。
休日に通うことを考えると便利だと思って候補に挙げていたが、実際に来てみると想像以上にアクセスが良く、移動のストレスがほとんどなさそうだ。

受付のスタッフは若い女性が多く、ややにぎやかな雰囲気。
前回とは少し違う空気感を感じながら、カウンセリングルームへ通されると、担当カウンセラーは明るい笑顔で自己紹介してくれた。

先に訪れたクリニックとの違いを探しつつ、彩花は同じようにムダ毛の悩みや肌荒れの状況を相談する。
こちらでも丁寧な説明を受けるうちに、医療脱毛のメリットや施術内容はほぼ同じだと再確認。

ただ、使用しているレーザー機器の種類や、施術時の痛みを和らげるオプションなど、細かな部分は各院で異なるようだ。
「当院では、この機械を導入していて、敏感肌の方でも負担が軽減されやすいですよ」といった説明を聞くうちに、具体的な施術のイメージがより鮮明になっていく。

料金プランを見せてもらうと、前回のクリニックよりも若干安めに設定されているコースがあった。
「ここだと少し予算を抑えられるかもしれない」と思いながらも、追加オプションの費用や麻酔料金、シェービング代など、別途発生する可能性のある料金を考慮すると、トータルのコストは意外と拮抗しそうだと感じる。

 

スタッフや医師の対応、料金・施術内容を比較

1か所目と2か所目、どちらのカウンセリングでも彩花が受けた印象は悪くなかった。
ただ、微妙な違いを挙げるとすれば、院内の雰囲気やスタッフの接客スタイル、予約システムの使いやすさなど。

スタッフ・医師の対応:

1か所目:落ち着いた雰囲気で、質問にもじっくり応えてくれた。医師も常駐しており、医療相談がスムーズ。
2か所目:フレンドリーで話しやすいが、忙しいときはやや事務的になりそうな印象。ただし若干料金設定が割安に感じる。

料金プラン・施術内容:

どちらも基本的なコース設定は似ているが、使用するレーザー機器やオプションの内容に若干の差がある。
2か所目のほうがコース料金は安いものの、麻酔代やシェービング代が別途かかる可能性が高い。

通いやすさ・予約の取りやすさ:

1か所目:平日の夜も対応しており、残業が少なければ会社帰りに寄れそう。
2か所目:休日に行きやすい駅近の立地だが、人気があるため土日の予約は混み合う可能性が高い。
彩花は、それぞれの特徴をメモしながら「自分の生活スタイルにフィットするのはどっちだろう?」と真剣に考える。

 

納得した方と契約を決定

迷った末、彩花が選んだのは1か所目のクリニックだった。
理由は、通いやすい平日の夜枠が空いていることと、カウンセリング時の落ち着いた雰囲気が自分に合っていると感じたから。
また、医師との相談がすぐできるという安心感が大きく、多少料金が高くなっても「後悔しない投資」と考えることにした。

ただし、2か所目のクリニックも決して悪いわけではないし、コストパフォーマンスを重視する人には魅力的な選択肢だろう。
自分の中で「ここがいい」と強く思えた場所が、最終的には一番後悔の少ない選択になると信じて、彩花は契約の書類にサインを交わした。

「よし、これで一歩踏み出せた。あとは施術を受けるだけだ……」
契約を終えてクリニックを出るとき、彩花は不思議と気持ちが軽くなっていた。
これまでムダ毛に抱えてきたネガティブな思いが、少しずつ解消されていく予感がする。

こうして、いよいよ彩花の医療脱毛へのチャレンジが本格的に始まろうとしていた。

 

次の話-脱毛施術スタート